東野幸治のナイモノネダリ。「嫉妬」から見える愛。男と女の笑いのリズム。

2月4日に「東野幸治のナイモノネダリ」という番組が放送された。

番組概要はお笑いナタリー、「嫉妬に隠れた本音が続々、東野の冠番組来週スタート」「芸人が欲しい芸人のスキル、明日「ナイモノネダリ」で告白」に詳しい。

「自分にもあったらいいのに」と思う誰かの能力、“スキル”をテーマに話し合うトークバラエティ。第1回は「お笑いタレント」をテーマに、中山秀征、オアシズ光浦、ケンドーコバヤシ、小籔千豊が出演。

「他人の価値に対する憎悪を伴う羨望。人は誰かのスキルに嫉妬しながら生きている。自分にはない他人のスキルを発見しどんどんうらやましがっていく」というえらく仰々しいセリフで始まった番組。

東野幸治をMCに配置し、「嫉妬」という負の感情を扱う番組なのかと思ってみてみると、1回目はお笑い芸人の「技」をわかりやすく解説するという内容だった。次回はこの続編。

東野幸治のナイモノネダリ 欲しいスキル

東野幸治のナイモノネダリ 欲しいスキル

光浦の的確な分析力

光浦は“男芸人のルールで戦えるスキル”が欲しいという。光浦の分析力が的確で、東野が舌を巻くほどであった。テレビという男目線の社会において、光浦だからこそ見えるものかもしれない。

光浦は言う。「お笑い番組は男の人が作っているから男のリズムで作られている。男性は立てに深く、女性は横に広い思考。男のリズムは一言で落とす、リアクションで落とすなどのように短いリズム。型があり想定外のモノが笑いになりにくいのがお笑い番組」だと。

「女は2時間喋らせた方が面白いし、友近も1時間野放しにした方が絶対面白い。けれどテレビは1時間じゃないしキャッチボールだから、2秒で勝負するしかない」と。

その、男目線の細切れのリズムに対応できるのが、近藤春菜だと言う。

小籔は、近藤はどんな悪いフリでも打ち返せると言い、悪球打ちの岩城(ドカベン)だと評する光浦。

細切れのリズムの例としてこんなVTRが流れた。

春菜:わたし(アソコ)付いてないから!

一同:無いの?

近藤:付いてねーわ!。

素材のままで笑いをとれるスキル

ケンコバは、意外と思える若手の名を挙げた。「こんな風に生きたい。そのままのことをそのままの声で言っただけでドッカンドッカン受ける」と、まるで生き方レベルで憧れているかのように、ジャングルポケットの斉藤慎二を挙げた

ケンコバは自分のことを、「一回(なにかを)経由しないとしゃべれない。“〜ちがうんか”と言われて“何でですか!”といえない。“ちょっと聞いてくださいよ”みたいなところに上陸しちゃう」と。

芸人というのは「組み立ててこねくり回して違う笑いを作りたがる」ものだと東野はいう。「人と違うと思われたいという悪い出発点がある」が、「彼はうがってない」と言うケンコバ。

例えば、芸人なのに演技の仕事をしているとき、先輩に、「最近俳優業はどうなのさぁ〜」といじられると、「違うんですよ実はこんな事あって」と言ってしまうのだが、斉藤は「見てくれましたか!」と素直に返せると。

例として、有吉ジャポンのVTR。

(最初の出演者紹介で)

有吉弘行:ついに来てくださいましたね、スーパースターが。

斉藤:待ってくださいよ、スーパースターだなんて、ねえ!。

西川史子:凄い人気なんでしょ、ジャンポケとか言われてるんですよね。

斉藤:ジャンポケって言われてます、はい。ご存じで(笑顔)。

小籔は「斉藤の言う言葉がテロップ太文字になっているが全部普通のこと」だといい、中山は「同世代の芸人は普通のことしか言わないのにと思うだろうが、普通のことを大声で言って笑いになるのはすごいこと」だと評価する。

東野も、「芸人なのに目がキレイ。芸人なのにお笑い分かりませんと言える勇気がある」と賞賛する。

無理やりなギャグを作らない

中山秀征が欲しいスキルは、些細なことをギャグに変えるスキル。志村けんのスキル。お笑い界の大御所でありながら常に一線で、誰もが知っているギャグを幾つも持つ志村。これは誰もが憧れて当然だと思ったが、エピソードが面白かった。

志村は現実にあることをヒントに笑いを作る。東村山音頭も、元歌がある。「カラスなぜ泣くのカラスの勝手でしょ」も赤坂の近くで小学生が歌っていたのがヒントだそうだ。

この話を聞いて調べてみたのだが、「志村けんの夜の虫」(2013年7月19日)では、東村山音頭の由来を話していた。

ラジオによると、東村山音頭も、合唱隊の中で自分の出身の民謡を歌う流れがあり、田舎ものといじられたことで歌ったのがきっかけだったという。それが短くなり、創作部分を加え、ジェームス・ブラウンが好きだったので「ワォ」を入れたのだそうだ。

テレビの話に戻るが、中山がかつてコントをしていたとき有り得ない設定のコントをやろうとしていたが、志村に「突飛なことをやったらウケない。見たことのある、その辺にいるのを入口にしろ」とアドバイスされた。「何で酔っ払っているかが大事なのだ」、「無理矢理なギャグを作らないことが大事」だと言われた中山。

「アイーン」とは、もどかしさの仕草

ギャグにも設定と理由がしっかりある、「アイーン」も、偉い人に攻めていきたいけどできない仕草が元になっていると。強い人に何か抵抗したいけどやれないもどかしさが「アイーン」なのだと中山。なるほど、だから腕が伸びきっていないのか。子どもの頃から見てきたギャグにこんな意味があったのかと知って、なんだか楽しくなった。

志村はラジオで、「ドリフの中ではギャグと言わない。起承転結があって、一つのコントになる。コントの中で出てくるもので一発芸みたいなものではない」と語っている。

これから、「負の感情」と「愛情」をどうあつかうのか

今回はまだ、「芸人のちょっといい話」だったり、「芸人の手の内を曝す分析」に留まっていたように感じた。それぞれの芸人が他の芸人をどう見ているのかという裏話を聞けて、それ自体はとてつもなく面白かったけれど。

番組公式ページには「MC・東野幸治のもと、“理想像”から“自らのコンプレックス”まで、今までテレビで語られることのなかった深い話を繰り広げるトークバラエティ!」とある。

1回目はまだ様子見で、エンジン全開というわけではなさそうだ。ナタリーの記事を見ると、コンプレックスに焦点を当てていくわけではないようだ。ただ、東野幸治というMCを置いている以上、今後、「嫉妬」という「負の感情」が見え隠れしてきたときに、憧れとともに愛や痛さや熱がどう扱われるのかを楽しみにしている。

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