ももクロ 夏のバカ騒ぎ 桃神祭。遊びの天才、玉井詩織はどんな祭りを作りたいのか。

今頃になってももクロ 夏のバカ騒ぎ 桃神祭、観戦記。全体としては、祭りという軸で、楽曲のアレンジ、構成、演出を全て貫いていた。細かいところまで追求していた。テーマ性の持たせ方は全く違うけれど、一本の強い軸につながるという意味では、五次元、GOUNNツアーの様だった。楽曲が新しい装いをまとい、演出の各所が祭り仕様になっていた桃神祭。祭りだからこそ次の展開を求めてしまう 桃神祭 “Version 1”だった。

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桃神祭を振り返っていたら、玉井詩織のことばかりになってしまった。遊びの天才、玉井詩織はどうやって人を遊びに組み入れていくのか、そして玉井はどんな祭りを求めているのだろうか。

玉井詩織は、天才肌で何でも器用にこなしてしまうので、アイドルらしい成長物語が見えにくく、感情移入がしにくいと言われることがある。そのせいもあってか、玉井推しの自分にとっても昨年までのライブでは、突き刺すような印象を玉井が残すことはあまり多くなかったように思う。けれど、昨年のパンナコッタ、今年4月のAEイベントなど、玉井が強く印象づけられる場面を見るようになってきた。今回のライブ、キーパーソンは玉井だった。玉井推しだからそう見えるのかもしれないけど、最近の玉井詩織は目が離せない。1年前の百田夏菜子のようだ。


桃神祭 2日間のセトリ比較表 桃神祭 2日間のセトリ比較表[/caption]

7月30に流れた桃神祭の舞台裏(めざましテレビ)では、振付の石川ゆみが「ツヨクツヨクまでは変わりません」、玉井が「普通にChaiMaxxやって…」と言っていた。8月1日の梶原放送局でスターダスト A&Rの佐藤守道が、「着替えをやめて、メインステージにいながら本人たちが動きながらできることはなにかということを、やりました」という発言している。

サブステージで「MDF」を歌ったあと、メインステージに戻るために「ももクロのニッポン万歳!」を「NEO STARGATE」の前に置いたことが分かる。

佐藤によると、「ももクロ音頭」をやめたのは “1分でも長くお客さんの前に本人たちがいる”ことを重視したから。そして石川ゆみの意見として、“大きな変更もやってやれない子たちではないが、演出の佐々木敦規が祭りとして作ってきた流れを崩さないでやる”という方向性を、ギリギリまでかけて組み上げたそうだ。

全体としてはMCと盆踊りをカットし、衣装替えをせずに「ニッポン万歳」で後半にむけてステージを移動したようだ。

曲は1日目と比べると2曲少ない。一つは「月紅」だろう。「ネオスタ」後の曲をカットし、新曲に関するMCもカット。「MDF」の前も変更しているかもしれない。1日目ネオスタの後、「LOST CHILD」があった場所には、「BIRTH ø BIRTH」が準備されていたのだろうか?

「奇跡」を感じさせるドラマをつくるもの

虹をみて、やはりももクロは「持ってる!」と感じた。“奇跡”、“伝説の” と言いたくなるほどの出来事。LVの自分でさえも、気持ちは上がった。

けどあれは、スタッフが天候を読んで開演を1時間遅らせ、観客の安全を考えてこまめに誘導し、構成を急遽変更し、メンバーも急遽対応したからこそ生まれたものだ。構成も、中盤で大きく変えている。MCや曲振りもコンパクトにしている。

まさに「♪奇跡なんかは待つものじゃない」(MDF) だった。高城が「モノノフはストーリーを作るなあ」と言っていたが、奇跡を感じられるドラマを作るのは、自分たちのやれることを精一杯やることでしか生まれないのだなあ、と感じた。

だから、観客は精一杯バカになって応援するんだ。

祭りを作り上げた演出

Ⅰ日目に戻って、バカ騒ぎで魅力的だったことを書いておこう。

ももクロらしさの極地 「黒い週末」

オープニングでその大きな姿を見せた神社。石見神楽、岩手虎舞も凄かったが、和楽器の存在感。太鼓、三味線、横笛の音と掛け声が聞こえてくると、気持ちは盛り上がって行った。

去年の日産でも和太鼓はあったが、スパイス的であり、ここまで楽曲の中心には座っていなかった。全体を通しても、三味線がクリック音・電子音のようでもあり、打ち込み主体の原曲サウンドイメージとうまく溶け合っていたように感じた。最初の生バンドから、徐々にアレンジが進化しているのは素人の僕でも分かる。

なによりネジがはずれたのは、M3 黒い週末。本物の屋台があって、歌っている間にかき氷、焼きそば、ラムネ、リンゴ飴を食べる。「ゴリゴリのロックチューンなのに、歌も歌わないで食ってるし!こういうの大好きだー!」と、幸せを感じていた瞬間だった。

こんなことはももクロくらいしかやらないし、ももクロらしい。コレが見れただけで、良かったと思える演出だった。何者かが「わかんない」のがももクロ、ということが垣間見えた。 そうそう、このあとの自己紹介でも食べ物をほおばっていた。

そして「D’の純情」への入りが、かっこよかった。曲前でセットした時の指は、自分の記憶にある“伸びた三本指”ではなく“Dの形”がスクリーンに映し出された。忍者となって屋敷に忍び込むPVの世界観が、この神社セットで完成された感じがした。和楽器とのマッチングも見事。

汗だくが美しい

1日目、現地は観客がダウンするほどの暑さだったと聞く。LVで大きく映し出される彼女たちは、開始直後にもかかわらず、尋常ではない汗をかいていた。1日目は衣装が重厚で、余計暑いのではないかと思っていた。ただ、本当にもう、笑顔で汗だくで踊る彼女たちは、輝いていた。

佐々木彩夏が国立のパンフで「やっぱりライブっていうと、汗かいて、ぶっ倒れるくらい踊って完全燃焼するっていうイメージがあるから」と言っていたのだが、まさにその通りの状況。本当に大変だったことだろう。2日目に衣装が軽めになっていて、すこし安心した。

自由度の上がる堂々平和宣言

堂々平和宣言 は、ここ最近の楽曲としては、パフォーマンス込みで一番好きな曲だ。

サングラスを掛けた瞬間に彼女たちがキャラ変し、それまでの何かから解き放たれ、一気に自由度が増すからだ。

2日目は、上演時間を減らす関係で、堂々平和宣言に入るサングラスのくだりが超短縮バージョン。これをを見ると、1日目のが間延びして見えるほど。ももクロにまだ慣れてない観客に対しては、前振りをして丁寧にやる必要があるのかも知れないけれど、結果的にこのテンポで良かったんじゃないかとさえ感じた。

演出での盛り上げ

バカ騒ぎ「ココ☆ナツ」、アリーナの特権だった客席への放水が、カメラも向けられた。LV組は当然、大盛り上がり。かけるときの彼女たちの表情も5人5様で見事だった。悪童ぶりが可愛い夏菜子。即座にど真ん中を射貫く詩織。放水中の勢いに振り回されるのが愛い彩夏は。ハートマークに投げキッスと、サービスたっぷりな杏果。なかなか狙いが定まらないのも可愛い れに。

桃神祭 放水 夏菜子桃神祭 放水 詩織桃神祭 放水 彩夏桃神祭 放水 杏果桃神祭 放水 れに

ペアのいる演出。観客の近く ⇆ 5人揃ったパフォーマンス

「DNA狂詩曲」は、3B-Jr.の子たちとペアになって歌っていたのが素敵だった。どの曲もそうなのだが、ももクロはメンバーどうしが近くにいて歌ってほしい。けれど大きな会場だと立ち位置も離れてくる。ここはジレンマだ。

「キミといるだけで なんか遺伝子が笑う」と歌うこの曲に、ペアがいることの意味は大きかった。“観客の近くまで行くのか” ー“ 5人の関わりを見せるのか”。ライブのたびに感じる葛藤に対する一つの答えかもしれない。

自分を解体するメタ視点のももクロ

ももクリ発表は、コロッケのものまねでサプライズ自体を笑いに仕立てた。会場の規模や動員数が共有できる目標ではないからなのだけれど。

絶えず自分の足下から解体して変えていく自己変革がももクロの身上だけれど、この辺がまた“メタ視点”のももクロらしい。自分たちのやってきたことをネタにして茶化してしまう。その最たるものが、AEイベントの「俵安」。

祭りを作り上げた曲の装い

曲の装いを変えて表情を新たにしたアレンジと見せ方

祭りチームが会場を埋め尽している時間、BGMは「ももいろパンチ」と「ピンキージョーンズ」の和アレンジが流れていた。ももパンはもともと和がテーマの頃の楽曲だし、PJは楽器が多彩な曲。楽しい音だった。

「キミとセカイ」の見事なバンドアレンジ、DAITAのギターソロで始まる「サラバ、愛しき悲しみたちよ」。後で知ったが、DAITAが原曲の良さを活かしつつ自分なりの味付けをする、綿密な準備があったそうだ。

佐藤守道: ももクロの原曲に対するリスペクトをすごくして頂いていて、ここはこういう風に弾いた方がいいとかというのはありつつ、その中でDAITAさんとしてのキャラクターを出して弾くところを、うまく使い分けてというか。ある意味、ひとつ、ももクロ的なバンドのあり方の理想というか。   ~梶原放送局 #72 8月1日

1日目で驚いたのが、「CONTRADICTION」から、息もつかせず「泣いてもいいんだよ」が始まったところ。あれだけ激しく踊った後で、低く力のあるミディアムテンポの歌い出しに繋げられることに驚いた。

「走れ!」。2013年春の一大事で初めて聞いたバンドバージョン。暗くなった空に溶けていくようなイントロは、以前よりもややスローテンポで、印象を深化させていた。

アンコールをはさんで、和楽器アレンジの「行くぜっ!怪盗少女」と御輿に乗ったももクロ。前奏がつかめず、MIXコールのきっかけがつかみずらかったものの、思いのほか和楽器アレンジがあっていた。津軽三味線の強烈なアタック音が、この楽曲の打ち込みテイストとあっていたように感じた。

1日目の「鋼の意思」は移動曲で使われていて、「なるほどなあ、こういう活かし方があるなあ」と感じた。この曲は上半身だけの動きが中心でメンバー同士の絡みの少ない振り付けなので、トロッコの上でも違和感がない。

* * *

今回は、演出面、楽曲面、どちらも力の入ったバカ騒ぎだった。

今までにない演出が一つひとつ積み重なって「お祭り」になっていた。新しいアレンジや演出によって、楽曲の新しい姿が見えたライブだった。

「夏のバカ騒ぎ」なので五次元やGOUNNツアーのように、一つの深いテーマに繋がるように配置されたライブではない。けれど、たくさんの楽曲が「お祭り」という軸で、繋がっていた。

プロ相手にこんな言い方をすると失礼になるけれど、ももクロはメンバーもスタッフも含めて、絶えず変化し成長していくのだなあと実感した「バカ騒ぎ」だった。当然、見ているこちらも変わっていくのが面白い。

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